十王地獄図

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十王は、閻魔王など、地獄の亡者の審判を行う十尊のことを指します。六道のどこに行くか決められます。亡くなると、七日ごとに審議を受けます。秦広王(初七日)、初江王(十四日)、宋帝王(二十一日)、五官王(二十八日)、閻魔王(三十五日)・変成王(四十二日)、泰山王(四十九日)です。通常は、この四十九日で決まるのですが、決まらない場合は、平等王(百ヶ日忌)、都市王(一周忌)、五道転輪王(三回忌)の審判を受けます。これらの日は、法事と関係しています。

ところで、これら十王を描いたのが、十王地獄図です。十王をそれぞれ一幅にあてて描かれますが、鎌倉時代以降、十王を一幅にしたものも登場します。一幅にしたもので有名なものの一つが、出光美術館蔵の『十王地獄図』です。ここでは、十王だけでなく、獄卒に亡者が苦しめられている地獄の様子も描かれています。ただし、亡者を救う地蔵菩薩や観音菩薩も描かれています。閻魔王の本地は地蔵菩薩、平等王の本地は観音菩薩です。彼らは、死者を裁く一方、救ってもいるのです。

画像:十王地獄図
画像出所:さいたま市
https://www.city.saitama.lg.jp/004/005/006/001/017/011/003/p000238.html

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