双身毘沙門天

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双身というと双身聖天(歓喜天)が有名です。男女の神が抱き合っている姿で表されています。男神の方が聖天、女神の方が、障礙神であった聖天の怒りをおさめ、改心させた妃です。

一方、毘沙門天にも双身があります。この場合、一方が毘沙門天、もう一方が吉祥天だといわれています。ただし、造形の両者はどちらも男神としてあらわされています。さらに、双身聖天が抱き合っているのに対し、双身毘沙門天は背中合わせになっています。この説明を『渓嵐拾葉集』では、次のように行っています。毘沙門天は成仏のための神様で、吉祥天は現世利益の神様です。そのため、そのご利益が相反しているため、背中合わせになっています。しかし、実は両者は同体であり、成仏と現世利益も相反することなく成就するということです。ただし、ここでは、吉祥天がどうして男神として表現されているかの説明はありません。この双身毘沙門天は、日本の天台宗のオリジナルだそうです。

画像:双身毘沙門天
画像出所:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%8C%E8%BA%AB%E6%AF%98%E6%B2%99%E9%96%80%E5%A4%A9

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