憑祈祷(よりぎとう)
よりまし(霊媒)を使った病気治療、密教の阿尾奢法(あびしゃほう)は、修験道にも取り入れられ憑祈祷として民間に普及します。修験者は、よりましに病気の原因となっている悪霊を憑依させ、その正体を暴くという方法です。ただし、悪霊は自分を大きく見せるため、神仏を語ることがありますが、修験者はこうした嘘を見破る必要があります。本当の名前を聞き出せば、それによって対処法が決まります。名前が重要なのは、西洋の悪魔祓いと似ているように思います。
よりましは、当初童子童女でありましたが、その後、修験者の妻がなっていきました。夫婦での職業になったようにも言えます。よりましは、御幣を持ち、目隠しされて、修験者の修法によって、霊を憑依させられます。霊が憑依すると、よりましは、体を震わせるなど憑霊状態を示します。そして、修験者から質問を受けることになります。
この憑祈祷は、たいへん人気になり、修験道だけでなく、他の宗教・宗派にも取り入れられるようになります。
画像:憑祈祷
画像出所:駒澤大学『文化』第32号
http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/33795/rbk032-04-sato.pdf
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