平安時代の事故物件

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『宇治拾遺物語』に、事故物件に関するおもしろいお話があります。世尊寺というところに桃園大納言(藤原師氏さん)が住んでいました。近衛大将に出世するときに、お亡くなりなりました。その後、この家に一条摂政(藤原伊尹さん)が住むようになりました。家にあった塚を壊して、お堂を造ろうとしました。塚を掘り起こすと、中に石の棺がありました。中には、24~25歳と思われる尼の遺体がありました。顔色もきれいで、ついさっき亡くなったような状態でした。人々が、驚いて見ていると、急に風が吹くと、その遺体が塵となって消えてしまいました。人々は、さらに驚きました。その後、藤原伊尹さんが亡くなりました。そのため、人々は、この遺体の祟りではないかと疑いました。

ただ、別のお話しとして、藤原朝成さんが出世の件で、藤原伊尹さんに恨みを持ち、その生霊が藤原伊尹さんを殺したというものもあります。とにかく、藤原伊尹さんの突然の死に人々が理由を求めたのでしょう。

画像:藤原伊尹
画像出所:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E4%BC%8A%E5%B0%B9

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