隆明さんと増誉さん
平安時代、修験に秀でた二人の僧がいました。御室戸僧正隆明さんと一条寺僧正増誉さんです。二人は、生き仏と呼ばれ、頓死した藤原保実さんを祈祷で蘇らせたという逸話があります。この二人は、実は叔父(隆明さん)と甥(増誉さん)の関係にあります。権勢を誇った藤原道長さんの兄、道隆さんの孫が隆明さん、隆明さんの兄の子が増誉さんです。
ただし、二人は対照的な性格だっただけでなく、不仲だと言われています。隆明さんは、常に寺で修行に専念して、人ともあまり会おうとしなかったと伝わっています。また、修験で重視される山林修行をほとんど行いました。その理由として、太っていたためだと言われています。一方、増誉さんは様々な山林修行を達成しており中には大峯修行を二回行っています。ただし、贅沢な生活をしていたとか、寵童を伴っていたという話が残されています。まったく性格が合わなかったためなのか、修験においてライバル関係にありました。
画像:三井寺
画像出所:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%92%E5%9F%8E%E5%AF%BA
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