祈雨の験比べ
平安時代、干ばつが続いたため、朝廷は空海さんに神泉苑で、雨を降らせる祈祷をすることを命じました。神泉苑は、怨霊を鎮める御霊会が行われた場所ですが、祈雨の修法もよく行われました。ところが、守敏さんがこれを聞きつけ、自分の方がふさわしいと朝廷に申し入れました。朝廷はこれを聞き入れ、守敏さんに祈祷を行わせました。7日間の祈祷のあと、ついに強い雨が降りました。ただし、その雨の範囲は、京の中心部に限られていました。次に、朝廷は空海さんに祈祷を申し付けました。7日間行いましたが、まったく雨が降る気配がありません。実は、守敏さんが雨を降らす竜を呪縛していたのです。ところが空海さんは、お告げを聞き、神泉苑の池の中にいる善如という竜を使って、雨を降らせることに成功しました。この雨は、広範囲に降り、干ばつは終わりました。その結果、空海さんは少僧都に出世しました。
敵役となった守敏さんですが、空海さんが東寺を賜ったときに、西寺を賜った方です。そのため、ライバルとされたのでしょうか。ただ、文献によっては、空海さんと祈雨の験比べをしたのは、修円さんであったと記されているものもあります。
画像:神泉苑
画像出所:神泉苑
http://www.shinsenen.org/kaisetu.html
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