百万遍念仏

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一〇八〇顆の大念珠で、一珠を繰る度に「南無阿弥陀仏」の念仏を唱え、百万遍に達すれば、極楽浄土に往けるとされます。ところが、この百万遍念仏は、個人が浄土に往けるだけでなく、様々な効能があるようです。

後醍醐天皇のころ、畿内で大地震が起こり、また疫病が蔓延しました。この状況を打破するため、天皇の勅命により、知恩寺第八世善阿空圓上人が宮中に呼ばれました。上人は一〇八顆の念珠を十連合わせて一〇八〇顆の大念珠を造り、七日七夜の念仏を修しました。念仏が百万遍に達すると、疫病が止んだそうです。そのため、知恩寺は「百万遍」の号を受け賜りました。また弘法大師筆の大利剣名号の軸と五百四十顆の念珠を下賜されたそうです。浄土宗ですが、弘法大師が登場しますね。これが、現在の百万遍知恩寺です。お寺だけでなく、この地域自体も百万遍と呼ばれています。京都大学に接していて、学生の街となっています。

画像:百万遍知恩寺
画像出所:百万遍知恩寺
http://chionji.jp/keidaiannai

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