犬の子(いんのこ)
犬の子は、子供を守るおまじないです。「いんのこ、いんのこ」と子供に唱えて、子供の健康を願います。なぜ犬の子かと言いますと、人間ではなく、哀れな犬の子なので、どうか神様、罰を与えるようなことはしないでくださいと、へりくだって神様にお祈りするからです。また、犬が安産の象徴であったことも影響しているのかもしれません。こうした風習は、東北地方で盛んであったそうです。
似たような風習は、京都の祇園社(現在の八坂神社)にもあります。祇園社の本尊は、牛頭天王です。『神道名目類抄』によれば、祇園社で、赤土で子供の額に犬と書くと、子供は守られるそうです。牛頭天王と犬の子の関係は、よくわかっていません。牛頭天王は、疫病の神が転じて、災難から人々を守る護法善神になった神様ですので、子供の魔除けとしては効力がありそうです。ただ、繰り返しになりますが、どうして犬と結びつけられたかはわかりません。また、東方地方で唱えるおまじない、犬の子との関係も興味深いですね。
画像:八坂神社
画像出所:八坂神社
https://www.yasaka-jinja.or.jp/about/
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