玄旨帰命壇(げんしきみょうだん)
玄旨帰命壇は、天台宗檀那流から派生した流派で、摩多羅神を本尊とします。邪教とされ、江戸時代に消滅しましたの。秘密主義を貫いていたため、資料に乏しく、また、邪教とされましたので、関連書は、焚書にあいましたので謎に包まれたままです。
玄旨帰命壇は、最初はまじめな流派であったのが、南北朝時代にこの玄旨壇灌頂を受けた円観さんが、淫靡な宗教に堕落せしめ、『玄旨帰命檀法』を伝えたとされます。その原因として、円観さんが、邪教である真言立川流を大成した文観さんとの交流が指摘されています。
ただ、この話は無茶苦茶なような気がします。まず、円観さんと玄旨帰命壇の関係はよくわかりません。また、円観さんは後醍醐天皇に仕えていましたが、南北朝分裂の時は、北朝につき活躍します。一方、文観さんは南朝側です。両者の交流があったのかどうか微妙です。さらに、何度かご紹介しましたが、真言立川流と文観さんは何の関係もございません。また、真言立川流は邪教のレッテルをはられた被害者です。ますます、謎は深まります。
画像:宝戒寺
画像出所:宝戒寺
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