修験者に操作される神霊

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前回に続き修験道です。修験者は、様々な神霊を使役します。古代では、修験道の祖役小角さんが、鬼神を使役して水をくませ薪をとらせていました。平安時代では、護法童子を使って、宣託や憑きものおとしを行ったとされています。さらには、飯綱も使われるようになります。飯綱は、管狐(くだぎつね)と呼ばれる、狐に似た伝説上の生き物です。ただ、飯綱の法は戦国武将などに人気がありましたが、邪法とされたこともあり、護法童子とは対照的な感じがします。

修験者は、こうした使役した神霊を使って、他の修験者とも験比べをやりました。浄蔵さんと修入さんも、こうした神霊の操作能力を競いました。近世になると、この神霊が、狐、蛇、狸、犬などの動物霊になります。ちょっとオカルト的になりますね。護法童子から、だいぶ変わっています。

参考文献:宮家準(2021)『修験道-日本の諸宗教との習合』春秋社

画像:管狐
画像出所:ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AE%A1%E7%8B%90

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